2回目の登場になる名古屋市千種区在住の中島奏さん (38歳) 。彼が住む日泰寺の北側には昭和5年に建設された名古屋最古の給水塔、「東山給水塔」がある。(現在は災害対策用の給水塔として再利用されている。)名古屋市都市景観重要建築物等にも指定されている歴史ある東山給水塔は、その独特な風貌で日泰寺周辺のランドマーク的な存在になっているアイコニックな建造物だ。ここでは、このエリアで生まれ育った中島さんに東山給水塔のベストショットを語ってもらいながらその異様な魅力についてRethinkしていきたい!
*この記事の内容はあくまで個人の感想です。
– 中島さん2回目のRethink Nagoyaありがとうございます!今回は東山給水塔について語るということですが、何か特別な思い出とかあるんでしょうか?
僕にとっては生まれ育った実家からも、現在の住まいからも、窓の外を覗けばいつもそこにそびえ立っている地元の風景なんです。まるで昔からずっと見張られてるよな監視塔のような存在ですからね。この塔の魅力を語らずにはいられません。(笑)
– なるほど。中島さんにとっては当たり前の景色なんですね。東山給水塔は地元ではどんな存在だったりするのでしょうか?
地元では、「ムーミンの家」、「ラプンツェルの塔」と色々な表現で呼ばれているランドマークですね。僕にとってはその「不気味さ」が堪らない存在です。建物自体の古めかしさに加えて、胴体に絡み付いた蔦から醸し出せれるホラーがいいですよね。周辺は閑静な住宅街でライトアップもないので、夜の給水塔はまさに肝試しにうってつけです。
– そんな中島さんの東山給水塔ベストショットとは?
給水塔の西側にある、地元の人しか通らない一歩通行の細い路地からの眺めですかね。その道を一方通行に従い、北から南へ向かって進んでいくと、しばらくはマンションの物陰で給水塔が見えないんですが、突如その姿を現すんです。自分は少し巨像恐怖症もあると思うんですが、この坂下スポットから見える塔にゾクゾクしてしまいます!あと、地元周辺を歩いていると給水塔が建物の隙間からちらっと見えたりするんですよ。その度に、「あっ今オレ見られてる」と心で思っています。
– 何か地元ならではの東山給水塔にまつわるエピソードとかはないんですか?
実は… 数年前から「給水塔が動いた説」があるんです。妻から聞いた話なんですが、地元の八百屋さんの方が、ある朝、いつも止まる交差点から見えるはずの給水塔の姿が見えない事に気づき、不思議に思い水道局に問い合わせた際「夜中に場所を動かした」と聞いた噂があるんです。それを聞いた時は自分もドキドキしましたね。何かロマンみたいなものを感じました。
– すごい話ですね!それは本当なんですか?
実は今回のインタビューを受ける前に、水道局に噂の件で問い合わせてみました。そしたら、「そのような事実はございません」と言われたんです。あと水の歴史資料館にも行って同じことを職員の方に聞いたのですが、塔の周りの草木を切ったからそう見えるんじゃないかと否定されました。やっぱりただの噂だったのかとかなり残念に思いました。
しかし、「給水塔が動いた説」はこれで終わりじゃなかったんです!ここにある証言が浮上したんです!
– えっ!?それはどういう事ですか?
実は僕の両親が、実家の2階から見える給水塔の位置にある違和感を持っていたんです。父曰く、数年前まで、給水塔の位置は池下駅のタワーマンションとの間にもっと距離が合ったと言うんです。(下写真参照)。残念な事に当時の写真などの証拠が残ってはいないので真実は分かりませんが、何十年も同じ景色を見ている父の証言に説得力を感じました。もしかしたら名古屋市は隠したい理由がるのか、それとも本当にただの気のせいなのか。謎は深まりますが、ミステリアスな要素がより一層、東山給水塔の魅力を引き立てますね。
–なるほど真実は分かりませんがワクワクしますね。アップデートがあったらまた教えてください。それでは最後に今後の東山給水塔にメッセージを!
年に1、2回は解放してくれていますが、市民の憩いの場になるように毎日解放して欲しいです。そうすれば覚王山の新しいコミュニティーの場にもなり、地域の活性にもつながるかと思います。色々と制約はあるかとおると思いますが、コロナで元気がない時だからこそ積極的な開放をしてほしいです!
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名古屋市千種区出身の中島さん。Rethink Nagoya随一のハイパーローカル名古屋愛とその独自の目線の付け所は名古屋人トップクラスだ!